【IT×金融×会計】社会人におすすめの資格3選を現役エンジニアが解説

※以下の記事には、筆者が勧めるサービスや商品の紹介(PR)を含みます。

さるちゃんのズバッと結論
社会人が「実務で効く」資格を選ぶなら、基本情報技術者・証券外務員一種・簿記2級の3点セット。理由は人気ランキングじゃない。ITの作られ方、お金の商品の仕組み、会社の数字——仕事で必ずぶつかる3方向をカバーできるからだ。取る順番は証券外務員一種(合格率73.1%)→簿記2級→基本情報が現実的。ラクな順に並べただけ?その通り。続かない計画に意味はない。

「社会人になってから何か資格を取りたいけど、どれを選べばいい?」——そんな人に向けて、現役の金融ITエンジニアであるボクが、実務に直結しやすい資格の組み合わせを紹介する。

先に結論を言うと、基本情報技術者・証券外務員一種・簿記2級の3つは、IT・金融・会計をバランスよくカバーでき、相性が非常に良い組み合わせだ。単に資格を持っているだけでなく、「IT」「金融」「会計」の3方向から仕事を理解できるようになるのが最大の価値なんだよね。

IT × 金融 × 会計 で仕事を立体的に理解 実務理解 3方向から 基本情報技術者 IT の土台 証券外務員一種 金融商品の知識 簿記2級 会社のお金の流れ

まず数字から:3資格の難易度を公式データで並べる

おすすめ記事にありがちな「難易度:★★☆」みたいな表記、あれはやめよう。誰が決めたのか分からない。ここでは各試験の主催団体が公表している実際の合格率だけを並べる。

資格 直近の合格率(公式) 試験の形式・合格基準 公表元
証券外務員一種 73.1%(2025年度・一般受験者) 100問・2時間40分。440点満点の7割(308点)以上で合格 日本証券業協会
日商簿記2級 32.9%(ネット試験・2025年4月〜2026年3月)
15.1%(統一試験・第173回)
統一試験・ネット試験の2方式。取得できる資格は同じ 日本商工会議所
基本情報技術者 38.3%(令和6年度) 科目A 90分60問+科目B 100分20問。受験手数料7,500円(消費税込) IPA

※受験料や試験方式は改定されることがあるため、申込前に必ず各公式サイトで確認してほしい。証券外務員一種と簿記2級の受験料は本記事執筆時点で公式ページの表記を直接確認できなかったため、あえて記載していない。合格率の出典は記事末尾に記載。

3資格の合格率(各主催団体の公表値) 出典:日本証券業協会/日本商工会議所/IPA 証券外務員一種 基本情報技術者 簿記2級(ネット) 簿記2級(統一) 73.1% 38.3% 32.9% 15.1% 0% 30% 60% ※証券外務員一種は2025年度(一般受験者)、基本情報は令和6年度、簿記2級ネットは2025年4月〜2026年3月、統一は第173回。 ※試験形式も母集団も異なるため、単純な難易度比較はできない。

さるちゃんの本音
簿記2級のネット試験32.9%と統一試験15.1%という差、これは正直ズルい情報だと思っている。同じ「簿記2級」なのに数字が倍以上違う。受験する層が違う(ネットは随時受けられるので準備が整った人から受ける)ことが大きいはずだが、公表値だけ見て「簿記2級は3割受かる」と思い込むと痛い目を見る。数字はウソをつかない。ウソをつくのは数字の”見せ方”だ。

なぜこの3つの組み合わせなのか

試験を受ける会社員のイラスト
illust: いらすとや

ボク自身、金融ITのエンジニアとして働く中で、資格の勉強はただの試験対策ではなく、実務理解を深める手段だと感じてきた。この3つは、それぞれ担当する「理解の方向」が違うため、組み合わせると仕事の見え方が立体的になる。

  • 基本情報技術者 … ITの土台(システムの作られ方・動き方)を理解する
  • 証券外務員一種 … 金融商品の仕組みを理解する
  • 簿記2級 … 会社のお金の流れを理解する

ここは意見として書いておく。1つの分野を深掘りするより、隣接する3分野を中くらいの深さで押さえたほうが、社内で「話が通じる人」になれる場面は多い。とくに金融IT、会計システム、経理DXみたいな領域では、この3方向が全部要求される。

1. 基本情報技術者|ITの土台をつくる

ITエンジニアの登竜門とされる国家試験だ。ネットワーク・データベース・セキュリティ・アルゴリズムなど、エンジニアの「共通言語」をまとめて学べる。IT未経験者の転職の土台づくりにも、経験者の知識整理にも役立つ。暗記だけでなく「考え方」を身につけられるのが価値で、実務での会話や設計の理解がしやすくなる。

難易度の実態も見ておこう。IPAの統計によれば、令和6年度(2024年4月〜2025年3月)の受験者は147,186人、合格者は56,370人で合格率38.3%。令和5年度は40.8%、令和4年度は47.1%だったので、3年で約9ポイント下がっている。CBTで随時受験できるようになり受験者層が広がった影響もあるだろうから「難化した」と断定はしないが、「国家試験の入門だからサクッと取れる」という前提で計画を組むと厳しい。

詳しくは → 基本情報技術者試験は独学で受かる?現役ITエンジニアが解説
ITの知識にまったく自信がない状態から始めたい人は、ITパスポートで基礎を固めてから基本情報技術者に進むルートも選びやすい。
クラウド資格(AWS認定)と迷っている人は AWS SAAと基本情報どっちが先? で受験料・有効期限の違いから整理している。

2. 証券外務員一種|金融商品の知識を押さえる

証券会社や銀行で金融商品を扱うために必要な資格で、株式・債券・投資信託に加え、信用取引やデリバティブまでカバーする。金融業界を目指す人はもちろん、新NISAなど自分の資産運用の判断力を上げたい人にも役立つ。受験資格がなく、問題演習中心で対策できるため、短期合格も狙いやすい。

日本証券業協会の公表データでは、2025年度の一種外務員資格試験(一般受験者)は受験7,408名・合格5,418名で合格率73.1%。2024年度も73.0%とほぼ同水準だ。試験は100問・2時間40分で、440点満点の7割(308点)以上が合格。7割取れば受かる試験で、満点を目指す必要はない。

ここは事実と解釈を分けておく。事実として合格率は7割超。解釈としては、範囲が広いぶん「知らない論点を捨てても受かる」構造なので、完璧主義を捨てられる人ほど早く終わる。ボクが3資格の中で最初に取ることをすすめるのはこの理由だ。

詳しくは → 証券外務員一種の難易度は?合格者が勉強法を解説
計算問題でつまずきやすい人は 電卓の使い方でつまずく人へのコツ もどうぞ。

3. 簿記2級|会社のお金の流れを理解する

詳しくは → 簿記2級は独学で受かる?実務に活きる理由と勉強法

もう1つおすすめしやすいのが簿記2級だ。おすすめできる理由は、会社のお金の流れをかなり現実的に理解できるようになるから。知名度も高く、転職・副業・ビジネス理解にもつながりやすい。

ITエンジニアとして働いていると、システムだけを見ていても業務の全体像が見えないことがある。会計システム、販売管理、請求、入金、経費、利益——会社の裏側には必ずお金の流れがある。簿記を学ぶと、「この処理は何のためにあるのか」「この数字はどこにつながっているのか」が理解しやすくなり、仕事の理解力そのものが上がる。

また、副業や個人で仕事をしている人にとっても簿記の知識は強力だ。売上・経費・利益・税金の考え方が分かると、なんとなく稼ぐのではなく、自分の事業を数字で見られるようになる。

ただし難易度は正直に伝えておく。日本商工会議所の公表値では、2級は統一試験(第173回・2026年6月)で合格率15.1%、ネット試験は2025年4月〜2026年3月の通年で32.9%。3資格の中では明確にいちばん重い。工業簿記という新しい概念が入るのが壁で、ボクもここで一度つまずいた経験がある。

簿記3級から段階を踏みたい人は 簿記3級から2級へ|独学の進め方 を先にどうぞ。独学でいくか講座を使うかは 簿記2級の通信講座は必要? で判断基準を整理している。

取る順番:合格率と学習の重さで決める

3つとも取ると決めたなら、順番は証券外務員一種 → 簿記2級 → 基本情報技術者を推す。「簡単な順」に見えるかもしれないが、狙いは別にある。最初の1つを短期で終わらせて、”受かる感覚”を先に作ることだ。

推奨ルート:短期で1勝してから重い資格へ 1 2 3 証券外務員一種 合格率73.1%/7割で合格 まず1勝して勢いをつくる 簿記2級 ネット32.9%/統一15.1% 3つの中で最も重い 基本情報技術者 令和6年度 合格率38.3% 科目Bに時間を確保 ※IT実務がすでにある人は3を先にしてよい。順番は「今の仕事で使う順」に入れ替えるのが原則。

順番を入れ替えていい条件も書いておく。今の仕事で使う順が最優先だ。すでにITの現場にいるなら基本情報を先にしていいし、経理配属が決まっているなら簿記が先でいい。この記事の順番は「どれも今すぐには必要ないが、将来のために取っておきたい」人向けの初期値だと思ってほしい。

複数資格を同時進行するのはおすすめしない。切り替えコストが重い理由は 資格2つを同時進行で勉強してわかったこと に書いた。自分が独学向きか講座向きか迷うなら 5つの質問で分かる資格学習診断 を先に試すと早い。

世界と比べると:日本の「学び直し」はむしろ少ない

「日本人は資格好き」とよく言われる。でも国際データを見ると、印象と実態はズレている。OECDの成人学習に関する集計(PIAAC 2023を基準としたTrends in Adult Learning)では、成人の学習参加率はフィンランドやノルウェーが58%前後、アメリカが55%前後とされる一方で、日本は主要国の中で低い水準にとどまる。

ここも事実と解釈を分ける。事実は「日本の成人学習参加率は国際比較で低位」。解釈は「日本人の意欲が低いから」ではなく、職場に継続学習の仕組みが少ないからだとボクは見ている。実際、厚生労働省の能力開発基本調査でも、自己啓発の最大の障害は「仕事が忙しくて余裕がない」が圧倒的1位だ。

逆に言えば、ここで学び続けること自体が差別化になるということでもある。詳しいデータは 日本人は本当に『資格が好き』なのか?リスキリング参加率を国際比較資格で年収は本当に上がるのか?日本と世界のデータで徹底検証 にまとめてある。

資格は「取ること」がゴールではない

大切なので改めて言う。資格は取ること自体がゴールではない。本当に大事なのは、その知識を仕事・副業・キャリアの中でどう活かすかだ。だからこそ、実務に結びつきやすい資格を選ぶことが重要になる。

基本情報技術者でITの土台を学び、証券外務員一種で金融商品の知識を押さえ、簿記2級で会社のお金の流れを理解する——この3つを組み合わせれば、仕事を「IT」「金融」「会計」の3方向から見られるようになる。

さらにお金の知識を広げたい人は、暮らしのお金を学べるFP3級の記事もあわせてどうぞ。

よくある質問

3つとも取るのにどれくらいかかりますか?

人によって差が大きいので断定はできないが、働きながらなら1つあたり数か月を見ておくのが現実的だ。ボクの実感としては、証券外務員一種がいちばん短期で終わり、簿記2級がいちばん長くかかった。3つを1年で詰め込むより、2年かけて確実に3つ取るほうが結果的に早いことが多い。学習時間の確保方法は「働きながら資格勉強の時間を確保する5つの方法」を参考にしてほしい。

どれか1つだけ選ぶならどれですか?

今の仕事で使う分野を選ぶのが正解。強いて優先順位をつけるなら、IT職なら基本情報技術者、金融・営業職なら証券外務員一種、事務・経理・副業をしている人なら簿記2級。合格率だけで選ぶと「取ったけど使わない資格」になりやすい。

合格率が高い証券外務員一種は価値が低いのでは?

合格率と実務価値は別物だ。証券外務員は、証券業務に従事するために登録が必要な資格で、金融機関では取得が前提になる場面がある。試験の難易度が資格の必要性を決めるわけではない。日本証券業協会も、証券業務に従事する人に限らず金融に関心のある人全般が受験できる試験だと案内している。

簿記2級はネット試験と統一試験で難易度が違いますか?

公表されている合格率には差がある。日本商工会議所のデータでは、2025年4月〜2026年3月のネット試験が32.9%、統一試験の第173回(2026年6月)は15.1%だった。ただしこれは試験の難易度そのものの差とは限らない。ネット試験は随時受験できるため、準備が整った人から受ける傾向があり、受験者層の違いが数字に影響している可能性がある。どちらで受けても取得できる資格は同じだ。

まとめ|スキマ時間でまとめて学ぶのがおすすめ

3資格に共通するのは、問題演習の積み重ねが合否を分ける点だ。忙しい社会人が続けるコツは、スキマ時間を使うこと。月額制で複数の資格講座が受け放題になるオンライン教材なら、基本情報・簿記・証券外務員などをまとめて学べてコスパも良い。ボクも活用していたオンスク.JPは、その代表格だ(取り扱い講座は変わることがあるので、狙っている資格があるかは公式で確認してほしい)。

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出典・参考データ

この記事を書いたサル: さるちゃん
金融ITの現場で働くエンジニア。基本情報技術者・簿記2級・証券外務員一種ほか、働きながら資格を取ってきた実体験と、世界のデータをもとに「ズバッと分かる」解説をお届け。→ さるちゃんって何者?(プロフィール)

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