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時間は「作る」ものじゃなくて「見つけて積む」もの。1日15分でも1か月で7.5時間、参考書1冊ぶんになる。しかも国の調査では、自由時間にスマホやPCを触っている平均時間は2時間49分だ。時間がないんじゃない。時間の行き先が決まっていないだけなんだよね。
どうも、金融IT企業でエンジニアをやってるサル、さるちゃんです。「資格を取りたいけれど、仕事が忙しくて勉強時間がない」——社会人の資格挑戦で、一番の壁がこれです。ボク自身、働きながら基本情報技術者・簿記2級・証券外務員一種を取ってきたけど、まとまった勉強時間なんて一度も取れたことがない。この記事では、無理なく勉強時間を確保する5つの方法を、国の統計データも交えて紹介します。
その前に:「時間がない」はあなただけの問題じゃない
方法の前に、前提をひとつ共有させてほしい。厚生労働省の「令和6年度 能力開発基本調査」によると、自己啓発(仕事に関する自主的な学習)を行ううえで何らかの問題があるとした人は労働者全体の79.2%。そして正社員が挙げた問題点の1位は、ダントツで「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」の55.9%です。2位の「家事・育児が忙しい」26.3%の倍以上あります。
つまり、働きながら勉強する人の半分以上が同じ壁にぶつかっている。あなたの意志が弱いわけじゃない。構造的な問題です。
その一方で、こんなデータもあります。総務省統計局の「令和3年社会生活基本調査(詳細行動分類)」によると、自由時間におけるスマートフォン・パソコンなどの平均使用時間は2時間49分。行動の種類別では自由時間の使用者率が61.7%と最も高い。
事実として言えるのは、多くの人が1日のどこかでスクリーンに向かう時間を持っているということ。解釈としてボクが言いたいのは、ゼロから時間を生み出す必要はないということです。以下の5つは、その「振り替え」を具体的にやる方法だと思ってください。
1. スキマ時間を「主戦場」にする
まとまった時間を待っていると、いつまでも始められません。通勤・昼休み・寝る前の10〜15分を積み上げるのが、忙しい社会人の王道です。スマホで進められる証券外務員や簿記2級のようなオンライン教材は、この戦い方と相性が抜群です。
ポイントは、スキマ時間を「余ったらやる時間」ではなく「そこでしかやらない時間」に格上げすることです。ボクは通勤の電車内を完全にアプリの問題演習専用にしていました。逆に自宅では、電車でやったところの解説を読み直すだけ。場所と作業を1対1で紐づけると、毎回「今日は何をやろう」と考えるムダがなくなります。
もうひとつ、面白いデータがあります。同じ社会生活基本調査によると、スマートフォンの使用者率は「自宅」が51.5%と最も高い一方、「移動中」は13.4%にとどまります。移動中は、多くの人にとってまだ手つかずの時間帯だということです。
まずは自分の1日を棚卸ししてみてください。だいたい、この表のどこかに15分は落ちています。
| 時間帯 | 目安 | 向いている学習 | ハードルになりやすい点 |
|---|---|---|---|
| 朝の支度〜通勤 | 10〜30分 | アプリの一問一答、講義動画の音声だけ聞き流し | 混雑時は画面が見られない→音声中心にする |
| 昼休み | 10〜20分 | 問題演習(短時間で区切れるもの) | 同僚の予定に左右される→席を離れて確保 |
| 帰宅の通勤 | 10〜30分 | 朝に解いた問題の解説読み | 疲れて集中しにくい→インプット中心に |
| 入浴後〜就寝前 | 10〜15分 | 暗記もの、その日の間違い直し | スマホの他アプリに流れる→通知オフ |
| 休日の朝 | 60〜120分 | 過去問の通し演習、苦手分野の集中攻略 | 予定が入りやすい→前週に時間を先に押さえる |
「朝5時に起きて2時間勉強しよう」みたいなアドバイス、ボクは全然おすすめしない。続いた人を見たことがないからだ。生活リズムを変える系のアドバイスは失敗コストが高すぎる。今すでにやっている行動(電車に乗る、昼飯を食う、風呂に入る)に貼り付けるほうが、圧倒的に生存率が高い。ラクな方法を選ぶのはズルじゃない。合格するまで続けるための戦略だ。
2. 「合格点狙い」に割り切る
満点を目指すと時間がいくらあっても足りません。頻出分野に絞り、問題演習を中心に回すほうが、短時間で合格に届きます。
多くの資格試験は6割〜7割で合格します。裏を返せば、3割は捨てても受かるということ。ここを割り切れるかどうかで、必要な学習時間は体感で3割は変わります。具体的には次の順で優先度をつけてください。
- 過去問で毎回出る分野:最優先。ここを落とすと合格が遠のく
- 数年に1回出る分野:2番手。時間が余ったら
- ほとんど出ない・出ても1問の分野:切る。深追いしない
この優先度をつけるには、先に過去問を1回解いてしまうのが早い。解けなくて構いません。「本番で何を聞かれるのか」を先に知ってからテキストを読むと、読むスピードそのものが変わります。ボクが基本情報技術者を受けたときも、テキストを読む前に過去問を1回まわしたことで、どこを丁寧に読むべきかが最初から分かりました。
資格ごとの必要時間の目安は簿記3級は独学で何時間かかる?働く社会人の学習計画やITパスポートの難易度は?合格率48.6%で見る勉強時間の目安で具体的に書いています。
3. 勉強を「習慣」に埋め込む
「朝コーヒーを飲んだら10問」のように、既存の習慣に紐づけると続きます。やる気に頼らない仕組み化がカギです。
コツは3つあります。
- きっかけを具体的な行動にする。「朝」ではなく「コーヒーをカップに注いだら」。時間帯より、実際の動作のほうが引き金として強い
- 最初のハードルを異常に低くする。「1問だけ解く」でOK。始めてしまえば、たいてい5問は解ける。逆に「30分やる」と決めると、30分取れない日に丸ごとゼロになる
- やらない日を許容する。連続記録が途切れると一気にやめる人が多い。「週5日できれば合格」くらいの設計にしておく
それでもモチベーションが切れることはあります。切れたときの立て直し方は資格の独学、モチベーションが切れたらどうする?挫折パターン別の対処法にまとめました。
4. 進捗を見える化する
問題集の周回数やカレンダーに記録をつけると、達成感でモチベーションが保てます。
見える化で大事なのは、記録する対象を「時間」ではなく「量」にすることです。「今日は30分やった」だと、集中していなくても達成になってしまう。「問題集のp.40〜52を1周」のように、進んだ距離で記録するほうが実態に合います。
ボクがやっていたのは、問題集の各問題の横に「正・誤」を回数ぶん書き込むだけの方法。3周目に入るころには、誤が並んでいる問題=自分の弱点が一目で分かります。直前期はそこだけ潰せばいい。アプリでもノートでも、道具は何でも構いません。
5. 迷ったら通信講座で「時短」を買う
独学で情報を集める時間がもったいないと感じたら、通信講座で効率を買うのも手です。
ここは正直に言っておきます。講座は「勉強する時間そのもの」までは作ってくれません。買っただけで受かる魔法はない。講座が肩代わりしてくれるのは、次の部分です。
- どの順番で・どこまでやるかを決める時間(カリキュラム設計)
- テキストや問題集を比較して選ぶ時間(教材選定)
- 分からない論点を自力で調べる時間(質問対応がある講座の場合)
先ほどの厚生労働省の調査では、正社員の22.1%が「どのようなコースが自分の目指すキャリアに適切なのかわからない」を問題として挙げています。この迷いの時間をまるごと削れるのが講座の価値です。実際、同じ調査で自己啓発の実施方法の1位は「eラーニング(インターネット)による学習」の44.1%で、紙の通信教育(16.3%)を大きく上回っています。スキマ時間戦略とオンライン講座の相性は、データの上でも裏付けがあります。
ボクが実際に受講して確かめたのは、月額制で70講座以上が受け放題になるオンスク.JP
のウケホーダイ。スマホで動画と問題演習が完結するので、この記事のスキマ時間戦略とはかなり相性がいいです。実際に使った感想はオンスク.JPは本当に使える?資格3つを実際に受講して分かったことに書きました。
ただし、全員に講座が必要なわけではありません。自分がどちらのタイプかを先に確かめたい人は、独学が向く人・通信講座が向く人|5つの質問で分かる資格学習診断を使ってください。厚生労働省の調査で実際に上位に挙がった障害要因をもとに、5問で判定できるようにしています。講座を使うと決めたあとのチェック項目は通信講座の選び方|失敗しないための5つのチェックポイントにまとめています。
「時間がないから講座を買う」は正しい。でも「時間がないから講座を買えば何とかなる」は間違いだ。講座が削るのは”迷う時間”であって”手を動かす時間”じゃない。ここを混ぜて売る広告が多すぎる。買うなら、削れるのは調査データで22.1%が詰まってる「何をやればいいか分からない」の部分だけ、と分かったうえで買ってほしい。
よくある質問
1日15分でも本当に意味がありますか?
あります。1日15分でも30日で7.5時間になり、これは参考書1冊を通読できる程度の時間です。ただし15分だけで合格できるという意味ではありません。試験までの期間が長いほどスキマ時間の効果は大きくなるので、受験を決めたらできるだけ早く始めるのが有利です。
まとまった時間が全く取れません。どうすればいいですか?
厚生労働省の調査でも正社員の55.9%が「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」を問題として挙げており、まとまった時間が取れないのは多数派です。対策は2つ。ひとつは学習内容を10〜15分で区切れる形式(一問一答、短い講義動画)に寄せること。もうひとつは、休日に1回だけ60〜120分の通し演習を入れて、本番の時間感覚をつかむことです。
通勤時間が短い場合はどこで時間を作りますか?
昼休みと就寝前が候補になります。総務省の調査ではスマートフォンの使用者率は自宅が51.5%と最も高く、自宅時間の一部を振り替える余地は大きいと考えられます。まずは1週間、自分が何にどれだけ時間を使っているかを記録してみると、振り替え先が具体的に見つかります。
スキマ時間の学習だけで資格は取れますか?
資格の難易度によります。選択式中心で範囲が限定的な試験は、スキマ時間の積み上げで十分狙えます。一方、記述や実技を含む試験、計算量の多い試験は、まとまった時間での通し演習が必要になります。自分の受ける試験がどちらかは、過去問を1回解いてみると判断できます。
まとめ
時間は「作る」より「見つけて積む」もの。スキマ時間を主戦場にすれば、働きながらでも十分に合格を狙えます。この記事の5つを改めて並べると、こうです。
- スキマ時間を「そこでしかやらない時間」に格上げする
- 満点ではなく合格点を狙い、出ない分野は切る
- 既存の習慣に紐づけて、やる気に頼らない仕組みにする
- 時間ではなく「進んだ量」で記録する
- 迷う時間がもったいないなら、講座で設計を買う
働きながら勉強する人の半分以上が時間の壁にぶつかっている、という調査結果は、裏を返せば「ここを解決できた人が抜ける」ということでもあります。まずは今日の通勤時間から始めてみてください。
スキマ時間を有効活用できる【オンスク.JP】![]()
どの資格から始めるか自体が決まっていない人は、【IT×金融×会計】社会人におすすめの資格3選から読んでみてください。
出典・参考データ
- 厚生労働省「令和6年度『能力開発基本調査』の結果を公表します」(公式)
- 厚生労働省「令和6年度 能力開発基本調査 調査結果の概要」(PDF・図76/図87/図88)
- 総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 詳細行動分類による生活時間に関する結果 結果の概要」(PDF・表6-2/表6-3)
金融ITの現場で働くエンジニア。基本情報技術者・簿記2級・証券外務員一種ほか、働きながら資格を取ってきた実体験と、世界のデータをもとに「ズバッと分かる」解説をお届け。→ さるちゃんって何者?(プロフィール)
