※本記事はプロモーションを含みます。
計算問題の準備で最初にやることは、画面電卓の練習じゃない。プロメトリックの公式案内に書いてあるのは「机上にメモ用紙と筆記具を設置する」ことだけで、画面上の電卓機能については協会もプロメトリックも公表していない。確実にあるのは紙とペン。だから準備の軸は「メモ用紙1枚で筆算し、1問4分以内に収める」に置くのが正解だ。ついでに言うと、私物の電卓も腕時計も持ち込めない。
どうも、金融IT企業でエンジニアをやってるサル、さるちゃんです。ボクは証券外務員一種を持っている。
「公式は覚えたのに、本番の計算で手が止まった」。証券外務員試験でよく聞くつまずきだ。多くの解説記事は公式の解き方に集中していて、試験会場で実際に何が机の上にあるのかという話はほとんど出てこない。ここを外すと、解けるはずの問題を落とす。
遠回しはナシだ。ズバッといくよ。この記事では、日本証券業協会(JSDA)とプロメトリック(試験の実施を受託している会社)が公式に書いていることと、書いていないことをはっきり分けたうえで、計算問題で時間を溶かさないための準備を整理する。ネットの又聞きではなく、公式ページに書かれている文言を根拠にする。
まず結論:確実なのは「メモ用紙と筆記具は貸してもらえる」こと
いちばん重要な事実から置く。プロメトリックの「受験の流れ」には、こう書かれている。
机上には試験中に使用可能なメモ用紙と筆記具が設置してあります。試験中にメモが足りなくなった場合は、追加のメモ用紙をお渡ししますので、試験監督員にお知らせください。
つまり筆算はできる。しかも足りなくなったら追加でもらえる。ここが計算問題対策の土台になる。
いっぽうで、同じページにはこうも書かれている。
本人確認書類を除く、携帯電話、筆記用具、腕時計を含むすべての荷物をロッカーにお預けください。持ち込みされた場合は不正行為となりますのでご注意ください。
「すべての荷物」なので、自分の電卓も当然その中に入る。使い慣れた電卓を持ち込むという選択肢は最初から存在しない。ついでに腕時計も預けるので、時間の把握は画面表示に頼ることになる。ここ、意外と知られていない。
公式に「書いてあること」と「書いていないこと」を分ける
ネット記事では「試験画面の電卓を使う」と当たり前のように書かれていることが多い。でも、ボクが日本証券業協会とプロメトリックの公式ページを確認した範囲では、画面上の電卓機能について明記した記述は見つからなかった。試験の仕様として公表されていないんだ。
| 項目 | 公式に書かれているか | 内容 |
|---|---|---|
| 私物の電卓の持ち込み | 書かれている | 本人確認書類を除くすべての荷物をロッカーに預ける。持ち込みは不正行為(プロメトリック「受験の流れ」) |
| メモ用紙・筆記具 | 書かれている | 机上に設置。不足時は追加を依頼できる(同上) |
| 腕時計 | 書かれている | 荷物としてロッカーに預ける(同上) |
| 解答方式 | 書かれている | 「PCへの入力方式」(日本証券業協会「外務員資格試験」) |
| 画面上の電卓機能の有無・仕様 | 書かれていない | 協会・プロメトリックのいずれのページにも明記なし(2026年9月時点で筆者が確認) |
この差は実務的に大きい。「画面電卓の操作を練習する」という対策は、そもそも何を練習すればいいか公式には分からない。いっぽう「メモ用紙で筆算する」は、公式に用意されると書かれている道具を使う対策だ。どちらを前提に準備を組むべきかは、はっきりしている。
もちろん、実際の試験画面に電卓機能があるという受験者の報告は多い。プロメトリックはCBT体験版を公開しているので、操作感が気になる人は受験前に自分で触って確認してほしい。ただし「あるはず」を前提に準備しないこと。それがこの記事のいちばん言いたいところだ。
「画面電卓の使い方を練習しよう」と書いてある記事、ボクはちょっと危ういと思ってる。公式に仕様が公表されていないものを、練習のしようがないからだ。ボタン配置も表示桁数も分からないまま「慣れておこう」と言われても、何に慣れればいいのか分からないよね。確実に用意されると書いてあるのは紙とペンだけ。不確かなものより、確かなもので勝負を組み立てる。これは試験に限った話じゃないと思う。
時間を逆算する:計算1問に使えるのは4分前後
次に、時間の話をする。ここは公表数値だけで計算できる。
日本証券業協会が公表している出題形式はこうだ。
- 一種:合計100問(○×方式70問、五肢選択方式30問)。○×1問2点、五肢選択1問10点で440点満点、7割の308点以上で合格。試験時間2時間40分
- 二種:合計70問(○×方式50問、五肢選択方式20問)。300点満点、7割の210点以上で合格。試験時間2時間
プロメトリック側の表記では一種160分・二種120分。同じ数字だ。そして計算問題は五肢選択方式のほうに含まれる(協会は出題形式を「五肢選択方式(語句選択方式、計算問題)」と記載している)。
○×70問を1問30秒で処理すると35分。残り125分を五肢選択30問に配分すると、1問あたり4分10秒。二種なら○×50問で25分、残り95分を20問に配分して1問あたり4分45秒になる。
この4分という数字を頭に入れておくと、準備の解像度が上がる。計算1問に10分かけると、それだけで他の2〜3問分の時間が消える。「解ける」と「時間内に解ける」はまったく別の話なんだよね。
※○×1問30秒はボクが置いた仮定値で、協会が公表している配分ではない。ただし配分の考え方としては使える。
電卓操作でつまずきやすいポイント
入力ミスが起きやすい
普段使っている実物の電卓と、PC画面上の入力とでは操作感が違う。ボタンの配置も押した感触もない。慣れていないと誤入力が起き、打ち直しで時間を失う。この打ち直しが、さっき計算した4分の持ち時間を削っていく。
小数点・桁区切りの扱い
債券の利回り計算などでは、小数点以下の端数処理と桁の大きい数字の入力が同時に発生する。桁を1つ打ち間違えると答えは10倍ずれる。ここでメモ用紙が効く。入力前に紙の上で桁を確認しておけば、画面の表示幅に頼らずに済む。
時間切れになりやすい操作
計算問題は1問10点と配点が大きい。だからこそ粘りたくなるが、粘った分だけ他の問題を落とす。4分で方針が立たない計算は、いったん飛ばして戻るという判断基準を、本番前に決めておくといい。
頻出の利回り計算を「操作込み」で練習する
利回り計算は得点源になりやすい頻出分野だ。ここで大事なのは、公式をノートに書いて覚えるだけで終わらせないこと。公式の理解と、数字を打ち込んで答えを出す作業は別のスキルで、両方をセットで反復して初めて本番のスピードになる。
ボクがすすめる練習手順は次の5ステップ。
| ステップ | やること |
|---|---|
| 1 | 利回り計算の公式を理解する(なぜその計算式になるかを確認する) |
| 2 | メモ用紙を1枚だけ用意し、そこに手順と桁を書き出す(本番と同じ制約にする) |
| 3 | PCの電卓アプリを使い、同じ手順で実際に入力してみる |
| 4 | 小数点以下の処理・桁区切りの入力に慣れるまで繰り返す |
| 5 | ストップウォッチで計測し、1問4分以内に収まるかを確認する |
ポイントはステップ2だ。普段からメモ用紙1枚で解く練習をしておくと、本番の机の上と同じ環境になる。ノートを広げて解いていると、本番でスペースが足りずに慌てることがある。
独学での反復に加えて、公式そのものを体系的に学び直したい場合は、オンライン講座を併用するという選択肢もある。スキマ時間を有効活用できる【オンスク.JP】
はスマホで学習できるため通勤時間にも取り組みやすい。ただし取り扱い講座は入れ替わるので、狙っている講座が現在あるかどうかは公式サイトで確認してほしい。そして、計算の演習量と操作の慣れは講座では代替できない。手を動かす部分は自分でやるしかない。
試験当日にできる、焦らないための工夫
本番で効く具体的な行動を4つ挙げておく。
- 最初にメモ用紙の使い方を決める。紙を4分割して1問1区画、のように事前にルールを決めておくと、桁の確認が速くなる
- 残り時間の表示位置を最初に確認する。腕時計は預けているので、画面の時間表示が唯一の時計になる
- 入力を間違えたら上書きせずクリアする。焦って上書きすると計算結果を誤認識しやすい。一度消してから入れ直すほうが結果的に速い
- 4分で方針が立たない計算は飛ばす。○×70問(140点分)を確実に取るほうが、難問1問(10点)より合格に近い
最後の項目は配点構造から来ている。詳しくは証券外務員一種の通信講座は必要?配点440点の内訳で決めるで、440点満点のうち300点が五肢選択に集中しているという構造を整理している。
一種を目指す場合、計算の範囲はどう広がるか
ボクは証券外務員一種を取得しているが、一種では二種の計算問題に加えて、信用取引やデリバティブ取引に関する計算が出題範囲に加わる。計算の考え方自体は二種の延長線上にあるものが多い。ただし扱う条件が増える分、手順を紙に落とす速さがそのまま得点に効いてくるという実感がある。
試験時間も一種160分・二種120分と40分違うが、問題数は100問と70問で30問差。1問あたりの持ち時間は一種のほうがむしろ短い(一種96秒、二種103秒)。上位資格だから時間に余裕がある、ということはない。
難易度や出題範囲の詳細は証券外務員一種の難易度と証券外務員二種の難易度でそれぞれ整理しているので、受験する級を決めかねている人はそちらも見てほしい。
よくある質問
証券外務員試験では自分の電卓を持ち込めますか?
持ち込めない。プロメトリックの「受験の流れ」には、本人確認書類を除く携帯電話・筆記用具・腕時計を含むすべての荷物をロッカーに預けること、持ち込んだ場合は不正行為として扱われることが明記されている。電卓もこの「すべての荷物」に含まれる。ただし試験中に使えるメモ用紙と筆記具は机上に用意されており、不足すれば追加を依頼できる。
試験画面に電卓機能はありますか?
日本証券業協会・プロメトリックのいずれの公式ページにも、画面上の電卓機能について明記した記述は見当たらなかった(2026年9月時点で筆者が確認)。実際にあるという受験者の報告は多いが、公式の仕様として確認できない以上、あることを前提に準備しないほうが安全だ。確実に用意されるメモ用紙と筆記具を使った筆算を軸に組み立て、操作感が気になる場合はプロメトリックのCBT体験版で事前に確認しておくとよい。
計算問題は捨ててもいいですか?
全部捨てるのは現実的ではない。一種は440点満点で合格ラインが308点だが、○×方式70問を全問正解しても140点にしかならず、五肢選択(語句選択・計算問題)で最低168点=17問分を取る必要がある。ただし1問単位で見れば「4分で方針が立たない問題は飛ばす」という判断は合理的だ。捨てるかどうかは全体ではなく1問ごとに決めるのがいい。
不合格だった場合、すぐに再受験できますか?
できない。プロメトリックの案内には、受験結果が不合格だった場合(欠席は含まない)、当該受験日の翌日から起算して30日を経過する日までは、日本証券業協会主催のすべての試験を受験できないと明記されている。待機期間中に受験したことが後日判明した場合は、合格点に達していても不合格として扱われ、別途の待機期間が設定される。受験料12,169円は返金されないため、日程は慎重に決めてほしい。
まとめ
もう一度ズバッと。証券外務員試験の計算問題で差がつくのは、公式の暗記量ではなく「机の上にあるもので何ができるか」を知っているかどうかだ。
公式に確認できるのは3つ。私物の電卓は持ち込めない。メモ用紙と筆記具は用意される。腕時計も預ける。画面上の電卓機能については、協会もプロメトリックも公表していない。だったら準備の軸は「メモ用紙1枚で筆算し、4分以内に収める」に置くのがいちばん確実だ。
数字はウソをつかない。ウソをつくのは数字の見せ方だ。「計算問題は得点源」という言葉は正しいけれど、それは時間内に解ければの話。今日、利回り計算を1問、紙1枚とストップウォッチで解いてみてほしい。4分に収まるかどうかで、次にやることが決まる。
出典・参考データ
- 日本証券業協会「外務員資格試験」(出題形式「○×方式及び五肢選択方式(語句選択方式、計算問題)」「PCへの入力方式」、一種100問440点満点・合格308点・2時間40分、二種70問300点満点・合格210点・2時間)
- プロメトリック「受験の流れ」(本人確認書類を除く携帯電話・筆記用具・腕時計を含むすべての荷物をロッカーへ、持ち込みは不正行為/机上に試験中使用可能なメモ用紙と筆記具を設置、不足時は追加可)
- プロメトリック「外務員資格試験」(一種160分・二種120分、受験料12,169円税込、通年開催、当日の持ち物は本人確認書類、試験終了後に正解率を画面表示、再受験規定=不合格日の翌日から30日間は受験不可)
※試験の実施方式・持ち物のルール・受験料は変更される場合があります。受験前には必ず日本証券業協会およびプロメトリック(株)の公式サイトで最新の受験要領をご確認ください。本記事の時間配分は公表されている問題数と試験時間からの試算であり、協会が示す標準的な配分ではありません。
金融ITの現場で働くエンジニア。基本情報技術者・簿記2級・証券外務員一種ほか、働きながら資格を取ってきた実体験と、公式データをもとに「ズバッと分かる」解説をお届け。→ さるちゃんって何者?(プロフィール)
