基本情報の科目Bで落ちる人の共通点|IPA評価点分布が示す52%の壁

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さるちゃんのズバッと結論
基本情報で落ちる主戦場は科目Bだ。IPAが公表した令和8年7月分の評価点分布では、科目Bの基準点600点に届かなかった人が9,922名中5,158名(52.0%)。しかもそのうち1,662名は550〜599点、つまり基準点まで50点未満のところにいる。落ちた人の3人に1人は「大敗」ではなく「惜敗」なんだ。だからやり直しは総復習じゃない。取りこぼしを減らす作業に絞ったほうが届く。

どうも、金融IT企業でエンジニアをやってるサル、さるちゃんです。ボクは基本情報技術者を持っていて、いまも実務でコードを読む側にいる。

「科目Bが難しい」「アルゴリズムで落ちた」という声はよく聞く。でも、そこで返ってくるアドバイスはたいてい「擬似言語に慣れましょう」「過去問を回しましょう」で終わる。それ、落ちた人がいちばん知りたいことじゃないんだよね。知りたいのは「自分はどのくらい足りていないのか」と「何から手を付ければ届くのか」だ。

遠回しはナシだ。ズバッといくよ。この記事では、IPA(情報処理推進機構)が毎月公表している評価点分布という一次データを使って、科目Bで落ちる人がどこに溜まっているのかを人数で見る。そのうえで、落ち方を3タイプに分けて、それぞれ何をすべきかを整理する。感覚論はやらない。

結論:科目Bで落ちる人の共通点は3つ

先に答えを置く。データと試験構造から見て、科目Bで基準点に届かない人には次の3つのどれかが当てはまる。

  1. 「あと1問」の位置にいることに気づいていない——落ちた人の多くは大差で落ちていない。基準点のすぐ下に人が異常に溜まっている
  2. 100分を20問で割ったことがない——1問あたり平均5分。この配分を体で確かめないまま本番に行く
  3. 問17〜20の情報セキュリティを捨てている——20問中4問、全体の20%をアルゴリズム対策の巻き添えで落としている

順番に、データで確かめていく。

まずデータ:受験者の52%が科目Bの基準点に届いていない

IPAは毎月、基本情報技術者試験の評価点分布を公表している。受験者の点数が50点刻みで何人ずついたかを出した表で、これがめっぽう面白い。最新の令和8年7月分を見てみよう。

評価点分布:科目Bは基準点の「すぐ下」に人が溜まる(令和8年7月分)縦軸=人数 / 横軸=評価点(1,000点満点)。赤い線が基準点600点5001,0001,5002,00000-299300349350399400449450499500549550599600649650699700749750799800849850899900-基準点600点 →ここから右が合格圏←基準点未満科目A(8,588名・600点以上65.0%)科目B(9,922名・600点以上48.0%)出典:IPA「基本情報技術者試験 評価点分布(令和8年7月分)」2026年8月21日公表

数字で押さえておくべきポイントはこうだ(いずれもIPA公表値からの集計)。

  • 科目Bの評価点がある人:9,922名。うち基準点600点以上は4,764名(48.0%)
  • つまり5,158名(52.0%)が科目Bで基準点に届いていない
  • いっぽう科目Aの評価点がある人は8,588名で、600点以上は5,578名(65.0%)
  • 同月の最終合格者は4,098名、合格率41.3%(統計資料の推移表)

科目Aは65%が超え、科目Bは48%しか超えない。この17ポイントの差が、基本情報の難しさの正体だ。「基本情報が難しい」のではなく「科目Bが難しい」と言ったほうが正確なんだよね。

もうひとつ、計算すると見えてくることがある。科目Bを突破した4,764名に対し、最終合格は4,098名。差の666名は、科目Bを超えたのに科目Aで落ちている。数としては科目Bで落ちる人のほうが圧倒的に多い。科目Aの暗記に時間を寄せすぎるのは、配分としては逆なんだ。

※科目Aの評価点がある人(8,588名)と科目Bの人(9,922名)の差1,334名について、IPAは分布表で内訳を示していない。科目A免除制度の利用者が含まれているとみるのが自然だが、これはボクの解釈であって公表事実ではない。

さるちゃんの本音
「基本情報は難しい」って言い方、ボクは雑だと思ってる。科目Aは65.0%が基準点を超えているんだ。難しいのは試験じゃなくて科目Bという特定の1科目。それなのに市販の対策は科目Aの用語暗記に紙面を割きがちなんだよね。時間の配分を、落ちている場所に合わせよう。

共通点①「あと1問」の位置にいるのに、そう思っていない

分布をもう一度よく見てほしい。科目Bで人数がいちばん多いのは600〜649点の1,800名。そしてそのすぐ下、550〜599点に1,662名がいる。基準点をまたいで、ほぼ同じ大きさの山が2つ並んでいる状態だ。

帯ごとに積み上げるとこうなる。

評価点(科目B) 人数 その帯までの累計割合 判定
700点以上 1,610名 16.2% 余裕をもって合格圏
650〜699点 1,354名 29.9% 合格圏
600〜649点 1,800名 48.0% ぎりぎり合格(基準点)
550〜599点 1,662名 64.8% あと一歩で不合格
500〜549点 1,276名 77.6% 不合格
499点以下 2,220名 100% 基礎からやり直し

IPA「基本情報技術者試験 評価点分布(令和8年7月分)」より集計。母数は科目Bの評価点がある9,922名。累計割合は上位側からの積み上げ。

不合格だった5,158名のうち、1,662名(不合格者の32.2%)は550〜599点。基準点まで50点未満のところにいる。IPAはIRT(項目応答理論)で採点しているので「あと何問」と単純に換算はできないけれど、大差ではないことははっきり分かる

ここが落とし穴だ。不合格通知を見た人の多くは「全然ダメだった」と受け取って、テキストの1ページ目に戻ってしまう。でも実際の位置は基準点のすぐ下で、必要なのは総復習じゃなく「取りこぼしを2〜3問減らす」ことだったりする。やり直しの規模を間違えると、時間だけ溶けて次も同じ位置で落ちる。

基本情報そのものの全体像や学習範囲から整理し直したい人は、基本情報技術者試験は独学で受かる?現役ITエンジニアが勉強法と学ぶ内容を解説を先に読んでおくと、どこに戻るべきかの判断がしやすくなる。

共通点② 100分を20問で割ったことがない

科目Bの試験時間は100分、出題数は20問。IPAが公式に示している数字だ。割り算するだけで1問あたり平均5分と出る。

科目Bの正体:20問100分、うち16問が擬似言語(アルゴリズム)1234567891011121314151617181920問1〜16 アルゴリズムとプログラミング(16問=全体の80%)問17〜20 情報セキュリティ(4問=20%)時間の割り算(ここを試さない人が落ちる)試験時間100分出題数20問1問あたり平均5分基準点600点/1,000点擬似言語の1問に15分かけると、それだけで3問分の時間が消える。読解スピードがそのまま点数になる構造。出典:IPA「基本情報技術者試験」試験時間・出題数、IPA「情報処理技術者試験 試験要綱 Ver.5.6」配点及び基準点、IPA「科目B サンプル問題」出題構成

科目Bは全20問のうち、問1〜16がアルゴリズムとプログラミング、問17〜20が情報セキュリティという構成になっている(IPAが公開している科目Bのサンプル問題の構成)。つまり8割が擬似言語の読解だ。

ここで起きるのが時間の事故。擬似言語は「読めば分かる」が「読むのに時間がかかる」タイプの問題で、トレース(変数の値を1行ずつ追う作業)を丁寧にやると1問10分〜15分は簡単に飛ぶ。1問に15分かけると、その1問で3問分の持ち時間を食う。解けたのに間に合わない、が起きる。

対策はシンプルで、本番前に必ず「20問100分」の通しをやること。分野別に1問ずつ解く練習と、100分ぶっ通しで20問を配分しながら解く練習は、まったく別の技能だ。前者だけやって本番に行く人が多い。

ちなみに、科目Aは90分60問なので1問あたり1分30秒。同じ試験でも要求される速度がまるで違う。科目Aを解く感覚のまま科目Bに入ると、確実に破綻する。

共通点③ 問17〜20の情報セキュリティを捨てている

3つめがこれ。アルゴリズムが怖いあまり、対策の全部を擬似言語に振ってしまって、情報セキュリティの4問を実質ノーガードで受けにいく人がかなりいる。

4問は全体の20%。ここを取りこぼすと、残り16問のアルゴリズムで相当な正答率を要求されることになる。しかも情報セキュリティの4問は、アルゴリズムに比べて短時間で解ける形式が多い。つまり時間効率がいちばん良い場所を捨てているわけだ。ズバッと言うけど、これはもったいない。

科目Aで学ぶ情報セキュリティの知識と地続きなので、ゼロから積む必要もない。科目A対策が一巡している人なら、科目B形式のセキュリティ問題を10問ほど解いて出題のクセを掴むだけで、体感はかなり変わる。優先度としては、擬似言語の難問を1問粘るより先にここを固めたほうがいい。

落ち方は3タイプ。自分がどれかを先に決める

やることを決める前に、自分の落ち方を分類したほうがいい。評価点は受験後に確認できるので、そこから逆算する。

タイプ 科目Bの評価点 起きていること 最初にやること
A:惜敗型 550〜599点 解ける力はある。取りこぼしと時間切れで落ちている 20問100分の通し演習。捨て問の判断基準を先に決める
B:偏り型 450〜549点 擬似言語は部分的に解けるが、セキュリティや特定分野が空白 問17〜20形式のセキュリティを先に固める。その後トレース練習
C:土台型 449点以下 擬似言語の記法そのもの(配列・繰り返し・関数呼び出し)が読めていない IPAのサンプル問題で記法を確認。1問を時間無制限で完全に理解する

タイプ分けはIPAの評価点分布と試験構成をもとにボクが整理したもの。IPAが公式に示している分類ではない。

大事なのは、Aの人がCの勉強をしないこと。惜敗型が基礎に戻ると、伸びしろのない場所に1か月かけることになる。逆に土台型が通し演習ばかりやっても、読めない問題を速く読めるようにはならない。

合格率は3年で8.8ポイント下がっている

もうひとつ、前提として知っておいたほうがいい事実がある。基本情報の合格率は、ここ数年はっきり下がっている。

合格率は3年で8.8ポイント低下(受験者は増えている)10%20%30%40%50%47.1%令和5年度(2023)受験 121,611名40.8%令和6年度(2024)受験 133,732名38.3%令和7年度(2025)受験 147,186名38.5%令和8年度(4〜7月)受験 44,025名※令和8年度は4〜7月の集計(受験44,025名・合格16,955名)。年度途中のため確定値ではない。出典:IPA「情報処理技術者試験 統計資料(基本情報技術者試験)令和8年7月分」推移表(2026年8月21日現在)

IPAの統計資料(令和8年7月分・推移表)から拾うと、年度別の受験者数と合格率はこうなっている。

  • 令和5年度:受験121,611名 / 合格57,278名 / 47.1%
  • 令和6年度:受験133,732名 / 合格54,501名 / 40.8%
  • 令和7年度:受験147,186名 / 合格56,370名 / 38.3%
  • 令和8年度(4〜7月):受験44,025名 / 合格16,955名 / 38.5%

CBT通年化の初年度(令和5年度)は47.1%だったのが、令和7年度には38.3%。3年で8.8ポイントの低下だ。同じ期間に受験者数は12.2万人から14.7万人に増えている。

ここは事実と解釈を分けておく。事実は「合格率が下がり、受験者数が増えた」こと。解釈としては、受験しやすくなったぶん準備が浅い層まで受けるようになった影響が大きいとボクは見ているが、IPAが難易度を上げたと公表しているわけではない。ネットで見かける「難化した」という断定は、少なくともIPAの公表資料からは裏付けられない。

実務的に言えば、意味はひとつだけ。数年前の「合格率45%くらいでしょ」という感覚で計画を組むと、見積もりが甘くなる。それだけだ。

4週間で科目Bをやり直す進め方

落ち方のタイプが決まったら、あとは順番の問題だ。惜敗型(A)と偏り型(B)向けに、ボクが妥当だと考える4週間の流れを置いておく。

  1. 1週目:現在地の確定——IPAのサンプル問題と公開問題で、擬似言語を時間無制限で5問。解けなかった問題を「記法が読めない」「方針が立たない」「計算ミス」の3つに仕分ける
  2. 2週目:情報セキュリティ(問17〜20形式)を先に固める——短時間で得点が安定する4問を取りにいく。科目Aの知識と地続きなので、投下時間あたりの回収がいちばん大きい
  3. 3週目:トレースの型を作る——変数表を紙に書いて1行ずつ追う手順を固定化する。毎回やり方を変えないこと。速さは型の反復からしか出ない
  4. 4週目:20問100分の通しを2回——本番と同じ時間で解く。「5分で方針が立たない問題は飛ばす」ルールを事前に決めて、それを守る訓練にする

チェックリストとして持っておくといいのはこの4つ。

  • □ 擬似言語の記法(配列の添字、繰り返し、関数の呼び出し)を、見た瞬間に読み替えられるか
  • □ 問17〜20形式のセキュリティ問題を10問以上解いたか
  • □ 100分の通し演習を最低2回やったか
  • □ 「飛ばす」判断の基準を、本番前に言語化してあるか

4つとも□が埋まっていないのに再受験日を決めるのは、正直おすすめしない。基本情報のあとに応用情報まで見据えている人は、基本情報と応用情報どっちを受ける?違いと選び方を解説で全体のルートを確認しておくと、いま科目Bにどれだけ投資すべきかの判断がしやすい。

独学でやり直すか、講座で外すか

ここは正直に線を引く。タイプAとBは独学でいい。足りないのは知識量ではなく順番と時間配分だから、教わる相手が要る話じゃない。

迷ったほうがいいのはタイプC(449点以下)だ。擬似言語の記法そのものが読めていない状態は、テキストの解説を読んでも「解答を読んでいるだけ」になりやすい。ここだけは、動く手順を人に見せてもらったほうが早いことがある。

ボクが使ったことがあるのは、月額制で複数講座が受け放題になるオンスク.JPのウケホーダイ。月単位でやめられるので「詰まった分野だけ見て独学に戻る」という使い方ができる。ただし取り扱い講座は入れ替わるため、狙っている講座が現在あるかどうかは公式サイトで必ず確認してほしい。実際に使った感想はオンスク.JPは本当に使える?資格3つを実際に受講して分かったことにまとめてある。

基本情報に絞って独学と講座を比べた話は基本情報技術者、通信講座と独学どっちが受かりやすい?データで比較に、講座を選ぶときに事故らないための確認点は通信講座の選び方|失敗しないための5つのチェックポイントに整理してある。金額の大小にかかわらず、申し込む前に一度目を通しておくといい。

よくある質問

Q. 科目Bだけ落ちた場合、次回は科目Bだけ受け直せますか?

いいえ。基本情報技術者試験は科目A・科目Bの両方の評価点が基準点以上で合格となる仕組みで、科目単位での持ち越しはない(IPA「情報処理技術者試験 試験要綱」)。再受験では科目Aも受け直すことになる。ただし高度試験や情報処理安全確保支援士試験の合格者などを対象とした科目A試験免除制度は別途存在するので、該当するかどうかはIPAの案内で確認してほしい。

Q. 科目Bの基準点は何点ですか?

1,000点満点中600点。科目Aも同じく1,000点満点で基準点600点だ。採点はIRT(項目応答理論)方式で行われるため、正答数がそのまま点数になるわけではなく、「何問正解すれば600点」と公式に換算することはできない。

Q. 550点台で落ちました。基礎からやり直すべきですか?

やり直さなくていい、というのがボクの判断だ。550〜599点は科目B受験者の16.8%が入っている帯で、基準点まで50点未満。ここから必要なのは知識の総ざらいではなく、時間配分と取りこぼしの削減だ。全範囲の再学習に1か月かけるより、通し演習と情報セキュリティ4問の固めに寄せたほうが届きやすい。ただし個人差はあるので、評価点の内訳と自分の手応えを突き合わせて決めてほしい。

Q. 科目Aと科目B、どちらに時間をかけるべきですか?

データで見るかぎり科目Bだ。令和8年7月分では科目Aの基準点到達が65.0%、科目Bが48.0%。落ちている人数は科目Bのほうが多い。加えて科目Bを突破した人のうち科目Aで落ちたのは666名で、科目Bで落ちた5,158名と比べると規模がまるで違う。ただし科目Aを軽視していいという話ではなく、科目Aは早めに一巡させて、残り時間を科目Bに寄せるのが現実的な配分になる。

まとめ

もう一度ズバッと。基本情報で落ちる主戦場は科目Bで、しかも大差で落ちている人は少ない。令和8年7月分では科目Bの基準点未達が5,158名(52.0%)、そのうち1,662名は550〜599点という「あと少し」の位置にいる。

だから最初にやるべきは、テキストの1ページ目に戻ることじゃない。自分がどのタイプで落ちたかを決めて、そこに合った打ち手を1つだけ選ぶことだ。惜敗型なら20問100分の通し。偏り型なら情報セキュリティ4問。土台型なら擬似言語の記法。

数字はウソをつかない。ウソをつくのは数字の見せ方だ。「合格率40%の難関」という見出しより、「不合格者の3人に1人は50点差以内」という分布のほうが、あなたの次の一手を決めてくれる。悩んでる時間がいちばんもったいない。今日、擬似言語を1問だけ、時間を計って解いてみてほしい。それで自分がどのタイプかは、だいたい分かる。

出典・参考データ

※評価点分布は令和8年7月分の単月データです。月によって受験者層が変わるため、割合は変動します。試験制度・出題構成は改定される場合があるため、受験前にIPAの公式サイトで最新情報をご確認ください。本記事の学習手順は筆者の判断に基づく提案であり、合格を保証するものではありません。

この記事を書いたサル: さるちゃん
金融ITの現場で働くエンジニア。基本情報技術者・簿記2級・証券外務員一種ほか、働きながら資格を取ってきた実体験と、公式データをもとに「ズバッと分かる」解説をお届け。→ さるちゃんって何者?(プロフィール)

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